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分析栄養学の落とし穴現代栄養学は、カロリー計算ばかりの単純な足し算引き算栄養学である。 よく見かける表現である。

野菜や果物の栄養成分表に記載されている数値は、日本各地で採れたものの平均値である。 栄養価は各地でかなりのバラツキがでる。
土壌にしろ、気候にしろ、水分にしろ、全て同じものは無いわけで、その地により生産された産物は無二のものである。 自然物そっくりに真似て人工的に食物を椿えても、全く同じ物は絶対にできないと言っても過言ではない。
自然物と出会うことは、一期一会といった世界なのである。 育てる人の愛情によっても左右されるのである。
その上、体格、生活習慣、食欲の程度、岨噛の回数、腸内の細菌状態から、嫌々食べるのと、美味しいと思って食べるといった精神衛生面的な違いまで全てが、食物が体細胞になる際に影響してくる。 こういった状況を無視して、食品栄養分析表のみを利用して成り立っている現代栄養学は、実は欠陥だらけなのである。
同じ栄養素をとっても、様々な生理的条件により吸収度合いは全く異なり、天然のビタミンCと合成のビタミンCとでは、一見、化学構造式は同じであるが全く別次元のものである。 天然のビタミンCは、天然物ならではのバイオフラボノイドが含まれるため、合成のビタミンC(アスコルビン酸)とは吸収率をはじめ様々な機能的な差が生じてしまう。
よって、サプリメントよりも天然物を食した方がよっぽどいいのである。 さらに、岨噛の効能も期待すると、食事を面倒がらずに良く岨畷して味わって頂きたいものである。
身体が、どの食物をどの程度要求しているか一番よくわかっているのは、自分自身である。 よって、それを前にしては、食品栄養分析表はほとんど無力である。
このような様々なファクターが複雑に関わり合うなか、単純に、カルシウムが足りないから、牛乳をたくさん飲みなさいといった理屈は、必ずしも成立しない。 各人それぞれ異にする生理機構の能力を無視した栄養学は、実に危険である。
牛乳=カルシウム説等の類が一番最たる例である。 牛乳はカルシウムが豊富だから、骨を丈夫にするために多くとるべきだ、といった理論は、一見成立するように思われる。
たしかに、西洋栄養学的な分析栄養学といった狭い視野で捉えたら、成立するだろう。 しかし、自然生命観で生命を見つめたら、なんとなく不自然と思わないだろうか。

牛乳とは字の如く、牛の乳であり、牛の仔が飲むのが自然であり、人間がそれを飲んで育つといった考えは不自然である。 牛乳に含まれている蛋白質と人体の蛋白質の構造は似ているが、異なるものなので、非自己として認識してアレルギーが生じてしまう。
牛乳は白くて、骨と同じ色だから、カルシウムたっぷりというイメージがあるので、そのイメージを払拭するには科学的根拠が必要であろう。 それでは、以下そのあたりを説明してみたい。
牛乳に含まれているカルシウムのほとんどは、乳糖と結合した形で存在しているため、乳糖分解酵素であるラクターゼが体内に存在しないと吸収できない。 昔から酪農の盛んなデンマーク人などは、乳糖分解酵素が日本人より圧倒的に多い。
乳糖分解酵素を欠く日本人は消化不良を起こし、体内でインドールやスカトールといった腐敗ガスが生じ、体内環境を悪化させてしまう。 単に、栄養成分を豊富に含むからといって、必ずしも、各人にとって栄養価が高いとはいいきれないのである。
現代栄養学は、こういったことを無視しているから、いっこうに身体は良くなっていかない。 西欧人は、長い歴史を通じて牛乳を食しながら進化した生命体なので、そういった意味では、牛乳は西欧人にとって自然の食物と言えるかも知れない。
日本でも約1300年前に乳製品が外国より入ってきているが、貴重なもので愛飲しているのは貴族であったという。 一般の食卓に並びはじめたのは、せいぜい約50年前の話である。

日本人の身体の構造を、牛乳でもって変えようとしているが、そう簡単に変わるものではない。 逆に、今は、しっぺ返しを食らっている。
体質をいい方に変えるどころか、アレルギーを生じるといったように、身体に歪みが生じてきている。 それに、カルシウムを吸収するために必要なビタミンDは、小魚である煮干しに多く含まれているのに対し、牛乳には全く入っていないので、カルシウムをとるなら牛乳である必要は全くないのである。
大体、日本で市販されている牛乳は、摂氏120度の高温で2、3秒殺菌するといった超高温殺菌法で製造されるので、腸内乳酸菌を繁殖させるβ型乳糖がα型乳糖に変わり、酵素が破壊ざれ蛋白質が変質してしまう事実が明らかにされている。 これは、もう本来の牛乳ですらないわけである。
また、牛乳と同等に情けないものが市販の粉ミルクである。 母乳には、様々な栄養分が含まれ、その中でも、活性酸素を消去する物質が含まれているのに対し、粉ミルクには、そのような作用は全くないことが解っている。
また、乳に含まれている脂質が分解した時に生じるパルミチンは、牛乳のほうが母乳よりも多いのである。 パルミチンはカルシウムと結合して不溶化し、カルシウムの吸収阻害をもたらすのである。
よって、母親は子供を母乳で育てるべきである。 現代栄養学の落とし穴にはまったら、子供があまりにもかわいそうである。
ちなみに、長寿郷であるグルジアでは発酵乳(00)をよく食しているが、これは、近代栄養学が椿えた牛乳とは次元の異なるものであることを一言添えておく。 人間の身体は世界各地で微妙に異なる。
なぜか。 食文化が異なるからである。

もちろん、それ以外の要素もある。 食文化の違いは、肉体的な違いをもたらすだけでなく、精神面の違いにも影響を及ぼしてしまう。
肉体に精神が宿るのだから当然の話である。 人種による肉体的な違いの例を挙げよう。
栄養を吸収する最初の入口である腸管の長さは、欧米人の方が日本人より短い。 なぜか。
それは、欧米人がある程度肉食に適するように進化したからである。 あるいは、肉食する生命体が、欧米人を産んだといってもいいだろう。
それなのに、身土不二の原則を忘れた現代栄養学は、万国共通の無謀な西洋栄養学を築き上げてしまった。 身土不二の原則に則って食生活を楽しむことを忘れてはいけない。
現代栄養学は見栄えばかりで、中身は空っぽである。 たとえば、1日30品目を食べなさいという厚生労働省の指導は実に的外れである。
玄米の栄養を全て削ぎ落とした白米、つまり粕(カス)を食べているのだから、おかずを多くとらないと栄養が足りないのである。 現代栄養学は、無駄な回り道を通っているのである。
このような虚構の栄養学の繁栄は、マスコミの影響もあるだろう。 テレビのレシピーはカロリー計算ばかりに躍起になり、レストランのメニュー、様々な飲食物のパッケージにカロリー、栄養分析表が詳細に記されている。
病人に対してのレシピーは、カロリーがオーバーしていなければ、肉は脂分を控え目にし、砂糖はある程度なら摂取してよいなどと言って、食物の質は一切問わないでいる。 また、病院では血糖値が下がった時には、ブドウ糖をとるように処方されるのも、単純な足し算栄養学からくるものである。

精製された白砂糖より未精製の黒糖を摂取した方が身体にはよっぽど良い。

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